借りられる社長、借りられない社長
実話です。
22年の夏に2人の経営者と出会いました。
かたや10年以上のキャリアを誇り5社経営するベテランS社長。
かたや独立3期目、新進気鋭の若手経営者K社長。
どちらも私の事務所から歩いて行ける場所にオフィスを構え従業員を抱えていました。
お二方とも決して財務に明るいとは言えず、社内には経理担当もおらず、借入金もあり、でもなんとかコロナ禍を凌いできたという共通点がありました。
しかし、両者ともビジネスのためには保証入れて借入金を増やすことに躊躇はないものの、決定的に異なる点がありました。
自社の数値に関心を示さず、財務面は全て私に任せてご自身は営業と現場指揮に専念されていたS社長。
夜中までわからないながらも会計ソフトで数字を見ながらスプレッドシートで予実管理をして、次の打ち手の質問をしてくるK社長。
たった1年で大きな差が生まれました。
また、数字に関する知識はどちらも大差はなかったのですが、一つだけ大きく異なる点がありました。
それは「税金」に対する意識。
K社長は積極的に納税しつつ純資産を積み上げて、外部評価(格付け)と自社の株価を上げることにご執心。
S社長は何とか利益を圧縮して絶対に納税による社外流出を回避したいと、これまで何年も所得税や消費税のみならず社会保険までも平然と未納滞納を続けてきました。
どちらも社交的な社長でだいぶ積極的?に経費を使うところも共通していましたが、どちらの会社にお金が残ったでしょうか?
1年後、片方は追加で4千万円の融資を受け(しかもプロパー!)、従業員も数名から20名近くに増えオフィスは手狭になり増床しました。
増収増益は言うまでもありません。
片方はもちろん追加融資は受けられず資金繰りに窮し、5社のうち1社は事業売却、1社は休眠となりました。
たった1年ですが、関心と意識の差で結果は大きく異なりました。
節税を気にしすぎて経費を使っていると、いつまでたってもお金は残りません。
お金に困らず、会社を潰さないためには、経営者はこの痛みに耐えなければいけないのです。
繰り返しますが実話です。
あなたはどちらの社長になりたいですか?